2008のあゆみ

 
 

人権啓発劇「輝きを求めて」

 

輝男、多恵子、博史、今日子はコーラスグループ「輝き」の中心メンバー。今、グループはコンサートに向け練習に励んでいる。輝男と多恵子はお互いに好意をいだいている。今日子と博史のはからいもあり、ある日、輝男は思いきって多恵子にプロポーズする。
 同和地区出身の多恵子は今なお残る世間の差別を案じるが、これまでの父母の輝ける生き方を振り返りプロポーズを受ける決心をする。
 そして公園でのお年寄りを助ける輝男の姿に、共に人生を歩める相手と確信し、胸を張って自分の生まれをうち明ける。
 多恵子の告白を受けた輝男は、迷うことなく自信を持って両親(義男、冴子)に多恵子を紹介する。しかし、そこには普段明るい輝男一家には感じることのなかった部落差別が暗く影を落としていた。父義男は自分は差別などしないと口では語りつつ、親戚や世間の反対を理由に結婚に賛成しようとしない。母冴子は露骨には態度に出さないものの、夫に追随する姿勢を見せる。
 意気消沈する二人に博史と今日子はエールを送る。
 親友の励ましに、今一度両親の説得に立つ二人。そこにもう一人の大きな支援者輝男の伯父明男がやってくる。明男の予想もしない賛成に驚く義男。
 世間体にまどわされている弟夫婦を目ざめさせるため、明男は一計をめぐらし、多恵子が差別にうち勝とうと発起した「愛クラブ」の活動に誘う。そこに集う仲間たちの温かさや多恵子の人間性に心打たれた義男夫婦は自分たちのあやまちに気づき、人間にとって本当に大切なものを探す日々が続いた。
 そしてコンサート当日、差別解消を願う歌声が会場一杯に響きわたる中、二人の結婚を祝福する父母の姿がそこにあった・・・・・

1997年

 
 
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