2008のあゆみ

 
 
 

「未来(あした)へ」

 

泰造と幸江は、雪江の亡き父親の代から、家族ぐるみでつきあってきた間柄。泰造は、妻一恵の痴呆症の看護を一生懸命にしているが、看護に一人悩んでいる。一恵の病状に涙する泰造。生きることに疲れ、ついには、一恵と共に死のうと心中を図る泰造。しかし妻の穏やかな表情を見て、すんでの所で死を思いとどまる。そんな時に、雪江と孫の真由美が泰造を案じて訪れる。泰造のただならぬ様子を察した雪江は、泰造をたしなめる。泰造は、愚かで弱い心を持った自分を告白し。雪江はみんなで解決の糸口を見出そうとする。
 一方、雪江一家にも問題が持ち上がる。徳島に住む弟政男の妻あきこから突然、息子浩志のことについて相談の電話が雪江にかかってくる。浩志は、大企業に就職し、勤務していたが、真面目ゆえに同僚の不誠実さを許せず上司に訴えた。それ以降、同僚からのいじめが始まり、陰湿な差別を受ける事になる。ついには会社を辞め、家に引きこもるようになってしまっていた。あきこは、別人のようになった浩志をどうにかしてほしいと、すがる思いで雪江に相談に来る。雪江は、政男の家を訪れ、政男と浩志に「差別と闘うということは差別をしている人の醜い人間性を解放していくだけでなく、差別を作っている社会と闘うことだ。」と説く。
 二つの問題を乗り越えた雪江は、孫の真由美に同和問題を始めとしたあらゆる人権問題を解決するためには、これからは様々な問題に直面している人々が連帯し、地域をあげて問題に立ち向かう力の結集がとても大切だと語る。泰造夫婦のことや浩志のことを例に、真由美にこれからの社会の明るい展望を示唆する。

2004年12月10日金曜日

 
 
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